ロシアを出るとき、マザーがくれたもの。

ニッポン行きのチケット
ゼロのたくさんついた小切手
見たことのない地図と電話番号

とっても苦労して地図の場所についてみたら
そこには小さい一軒家があった。

それから電話をかけてみたら、マザーの古い知り合いってヒトがでて
ニカがここに住む手配をしてくれた。

お陰でお家には困らないですんだけど
ひとりぽっちで暮らしたことのないニカには
ここは広すぎるわ、マザー。

家賃なんかいらないから、誰か一緒に住んでくれればいいのに。

流行ってるでしょ、シェアハウス。

…モジャハウスだった？

日帰りオンセンに行くツアー、教室にはってあったわ。

おもしろそう、オンセンって何か知らないけど。

よく考えたら、よく考えなくても


殺人鬼×ビハインド


の方が正解だった気がするわ……。

まる出しの「マル」とか、もろ出しの「モロ」とか
色々言ってたけど、まだにゃんこの名前は決まってない。

ニカ、なにかに名前をつけたりした事がないの。

何かをトクベツ大事にしたり、ずっと傍においていたり
そういうのしたことがないわ。

執着心ってものがないらしいの。

たぶん、生きるって事にすら……。


このにゃんこがどこかに行ってしまったら
ニカでも【哀しい】って、感じるのかしら。

マザーが、協会のみんなが、セルゲイがいなくなった時にすら
涙が出てこなかったニカの、感情は…生きてる？

誰かが、ニカを心配してくれるなんて、思わなかったの。

あの日、カミサマにさえ見捨てられた、そんなニカに。

ニカの手は、真っ赤に汚れているから

キレイなものには触れられない、触れてはいけない。

知り合い と 仲良し と 友達。

それぞれの境界線がどこにあって、どうやってクリアするのか。

BUとICの納品待ち、ニカわくわく。

憧れは、複数ピン。

ところで、霊犬があって霊猫がないの、不満だわ。

葉さんは、すぐ帰ってくる。

大丈夫、信じる。

NICA's Image Song