もっと、話したい。

ただそれだけのことが、ままならない。

エイティーンとか、いらないから

サーティーとか、フォーティーとか

ないの？なんでないの？？

「セルゲイって、本名？」

「そうだけど、なんで？」

「偽名かなって思って。」

「いやいやいや、偽る理由が無いだろ。」

「ニカという敵を、欺くために…。」

「ほんっっと信用ねぇのな！俺！」

「信用っていうか、組織のメンバーみんな偽名だし。」

「え…あれ、ヴェロニカ、も？」

「マザーがつけた偽名よ。」

「あ、ごめん、普通にショックうけた…マジか…。」

「知りたい？ほんとの名前。」

「すげえ、知りたい。」

「マザーしかしらないんだから、ほんとにヒミツよ？約束できる？」

「神に誓って。」

「そんなクソッタレに誓われても…。」

「やめてくださいシスターヴェロニカ、教会でそんな事いうのは。」

「ふふ、セルゲイ、耳かして。」


長い間、自分でも思い出すことがなかった
パパとママから貰った大事な名前をそっと呟いた。
唇が少しピアスに触れて、くすぐったかった。

セルゲイは、いい名前だなって、褒めてくれて
ニカの心は、幸せだったの。

どこかに、いきたい。

それでも、生きなきゃ、いけないの？

修学旅行、たのしくて、たのしくて

言葉に出来ない。


ニノニ、さいこう。

蓮二さんのパパは、どこかセルゲイのニオイに似てる。

言っておくけど、それは動物的感覚の、ニオイの方。

あと、年もそんなに変わらない。
8歳くらいしか。

担任のカナさんに、色々ゲンジューチューイされたけど
ニカ負けない。

もしセルゲイだったら、こう言ってくれた
ああしてくれた

っていうifばかり考えちゃうのは、もう癖。

ニカの滑舌が、悪いのは

舌のピアスのせいって、ことにしてある。

チェンソー剣

まちがって

全部つぶしちゃって

ニカ泣いた。